T.P. タレントテック
PM採用・面接

メンバーシップ型組織でも業務委託PMを効果的に活用する採用戦略とは

人材流出を防ぎ、プロジェクト成功率を高める実践的アプローチ

5分で読める
#PM採用#評価軸#面接手法#ミスマッチ防止#業務委託

【本記事について】 この記事は、PM 採用決裁権を持つシステム開発部長への実地インタビュー(2025 年 06 月実施)に基づいて作成しています。実際の PM 採用/運営現場が抱える課題と解決アプローチを、生の声として反映した実践的な内容です。

【インタビュイープロフィール】

  • イニシャル:M 氏
  • 役職:システム開発部長
  • 経歴:SB C&S、日本 IBM 等でマネージャー・PM として従事。現在の企業ではシステム開発部長として採用決裁権を持つ
  • 現在の役割:システム開発部門の統括、PM・業務委託の採用最終決定

弊社:メンバーシップ型の組織で業務委託 PM を採用する際の課題について教えてください。

メンバーシップイメージが強い会社であるため、簡単に PM 層を雇えない課題があります。最も困っているのは、採用を決めても結局他社に行かれてしまう場合が多いということですね。

これは構造的な問題で、PM という職種の特性上、社長とも直接やり取りしなければならないケースが多いんです。うちの場合、社長が積極的にプロダクトオーナー制を取っているんですが、プロダクトオーナーも自発的なレベルには来ていないところもあって、社長が非常に絡みやすいという特徴があります。

そのレベルの人と接する際に問題が発生するリスクを考えると、ある意味で外部の人材よりもプロパーを使う方が安全だという判断になってしまうんです。

弊社:そのような環境で、業務委託 PM はどのような役割で活用されているのでしょうか?

PM と PMO の役割を明確に分けています。PM は基本的にプロパー社員が担当し、PMO は業務委託の形で外部人材を活用しています。

PMO の場合は、プロジェクトに直接参加するというよりは、大規模プロジェクトの PM が参画しているところで、PMO 的に振る舞い、会議への参加やフォーマット作成などのサポート的な役割を担っています。

この住み分けにより、社長との直接的なやり取りリスクを軽減しながら、外部の専門性を活用できています。

弊社:業務委託 PM を採用するタイミングはどのように判断されていますか?

基本的には新しいプロジェクトができたタイミングですね。既存のメンバーでは対応できない場合や、既存メンバーを回せないという場合に外部リソースの採用を検討します。

ただし、弊社の場合は既存メンバーの退職による補完的な採用はあまりしません。なぜかというと、PM 層の退職はそれほど頻繁ではないからです。どちらかというと、事業拡大に伴う新規プロジェクトへの対応が主な採用理由になります。

弊社:PM 採用における評価基準について具体的に教えてください。

月並みですが、基本的にはメンバーシップに近いところのある会社ですので、特に重視しているのは以下の点です。

まず会社との親和性や相性が合っているか目指しているところがどうか、そしてコミュニケーション能力ですね。

ただし、コミュニケーション能力については、何回か議論すれば判断できると思っているところがあるので、むしろ重要にしているのは 候補者の「考える力」 です。

準備してきた回答は割と無視していて、その場でもうちょっと深掘りして質問したときの回答を判断材料にしています。準備してきたなという感じがあるので、そこを無視して、その場での深掘りした質問への回答を重視しています。

弊社:業務委託 PM と正社員 PM で評価基準に違いはありますか?

業務委託では大きく変わると思います。メンバーシップのイメージは必要ないんですよね。会社に対してのビジョンとして共感していただくということは必要ですが、実際にはその人の動き方が、関係者との相性が合うかどうかという点を見ています。

価値基準として、プロジェクトが単に進んでいるだけでなく、ユーザーがちゃんと喜んでいるかどうかを重視していることを理解していることが重要です。特に弊社はユーザーが近いため、その価値基準を理解していることが大切です。

CQD(コスト・品質・納期)の観点では、特に品質(Q)に関してしっかりとしたノウハウを持っていることを業務委託 PM に求めています。

弊社:採用チャネルはどのようなものを活用されていますか?

PM 職については、一般的なエージェントでは PM は少ないかなと評価しており、エンジニアリングに近いリーダー人材の採用には適していますが、PM 採用には別のチャネルを活用しています。

独自のデータベースを持つ専門エージェントや、人事支援を行う会社を活用しています。また、より業界などをピンポイントで選ぶようなところも使っていますね。

人事支援もやっているところから、独自のデータベースを活用してリストをもらい、この人にコンタクトしましょうというやり取りをして採用することもあります。

弊社:採用媒体選びで重視している点は何でしょうか?

人事部門が工数的に逼迫しているため、いかに工数を減らしてくれるかという点が重要です。

同じ採用媒体でも、よりピンポイントでこちらにあった人を紹介してくれるとか、適切な候補者をしっかりと抽出できることを期待しています。

基本的にはコストをかけないことを前提としつつも、ハイレベル帯の人材を「一本釣り」する必要がある場合はコストをかける判断もしています。リファラル採用を優先していますが、採用媒体は一つに限定せず、複数を併用する形を取っています。


今回のインタビューのポイント

今回のインタビューのポイント

  • 組織特性に応じた役割分担: PM と PMO を明確に分け、リスクを軽減しながら外部人材を活用
  • 深掘り質問による評価: 準備してきた回答より、その場での思考力を重視した面接手法
  • 価値基準の統一: ユーザー志向の価値基準を理解している人材を優先的に採用
  • 品質重視のノウハウ: CQD の中でも特に品質(Q)に関する専門性を業務委託 PM に要求
  • 工数削減志向の採用戦略: 人事部門の負荷軽減を重視した採用チャネル選択

類似課題をお持ちの企業様へ

今回 M 氏がお話しされたような課題は、多くの企業様が抱えられています。特に「メンバーシップ型組織での外部人材活用の難しさ」や「採用後の人材流出」は、従来の一律的な採用手法では解決が困難な構造的課題です。

弊社では、こうした課題を解決するため、単なる人材紹介ではなく、以下の独自サービスを提供しています:

  • 代表によるプロジェクト参画サポート: プロジェクトチャットに参加し、PM のパフォーマンスや期待値確認を丁寧に実施
  • プリセールス支援: 弊社 PM が技術的な提案段階からサポート
  • 若手 PM 教育: 内製化への橋渡しとして、既存メンバーのスキルアップも支援

M 氏が重視される「ユーザー志向の価値基準」や「品質重視のノウハウ」を持つ PM のマッチングにも強みを持っており、メンバーシップ型組織での導入実績も豊富です。


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